犬笛ごっこ
「あの人に気をつけなさいね」
という文言を、こんなに聞くこともなかろうという頻度で言われる。
えーさんはびーさんに気をつけなさいね、といい、びーさんはえーさんに気をつけなさいね、といい、しーさんはついに全員に気をつけなさいよ、という言葉を残して、居なくなってしまった。
居なくなったしーさんは、最初にわたしに優しくしてくれたひとだったのだけれど、そのときもたしか、「えーさんに気をつけなさいよ」と声をかけてきて、そのときわたしもえーさんにすこしの違和感を感じていたので意気投合し話をするようになりお昼ごはんにいろんなものをくれるようになり距離が近づきウンヌンカンヌン。
要は、結局、どこにでもある話ってこと。居なくなったしーさんは、みんなに「しーさんには気をつけなさいね」と言われており、しーさんは、「みんなに気をつけなさいよ」という言葉を残して去っていきました。
本当に本当によくある話で、結局誰に気をつければいいんだか最早わたしの頭では理解できない域に到達しているので、誰のことも「気をつけない」ことにしよう。
「気にしない」じゃなくて、「気をつけない」。
しーさん、びーさん、えーさん、あとみなさん、わたしは、だれのことも気をつけないことにしましたので、等しくだれのことも気をつけたくないので、それが無理かもな?と思ったら居なくなりましょうし、そうなる前に、いま、新しい縁に向かって無鉄砲な挑戦をしてみようとしているので、その結果如何では、気をつけるとか以前に、ただただ居なくなりましょう。
どこにでもある、他愛のない、犬笛ごっこの話であることだなあ。みなさんお好きでしょうに、犬笛ごっこ。わたしも、好きなのかもしれないし。ねえ。