笑って、近づいて
雨のち晴れの土曜日。
来館者数は、いつもの土曜日と変わらずといったところ。つまり、バタバタしていた。
昨日切った髪は、みなさんにおおむね半笑いで受け止められる。
同居人の辛辣な意見より、やわらかな反応だったので少し安堵。同居人氏いわく、ぼろくその反応だったので、みなの半笑いはやさしい反応と言える。
ちょこまか書架のあいだを動き回っていると、ちいさな利用者の方と目が合うことがある。
上手にたっちして、てちてち歩いて、何事かをお話しされていたので、思わずニコッとしたら、あちらもニコニコ。ぺこりと会釈して、「いらっしゃいませ」とお伝えすることにしている。
そうすると、だいたいの子はきょとん、としているのだけれど、今日のちいさな利用者さんは、さらなる笑顔で近づいてくださった。
わたしの髪型がおもしろかったのかもしれない。
それなら髪を切ったかいがあるというものだ。
雨が止んだ帰り道、なんとなく、鬱々とする。
今もなんとなく鬱々として、もうだめだとか、思ってる。
でも書いていて、今日のちいさな利用者さんの笑顔を思い出した。
思わず、かわいいですねえ、と、親御さんに言ってしまったのだった。
あの子はわたしに笑ってくれた。
そういえばそうだった。
笑って、近づいて、もう一回笑ってくれたのだった。