砂の、愛の、後の、穴蔵へ
毎日が砂のように過ぎ去って
残るものは後悔か懺悔か痛惜か諦念か
マグマのように煮え沸る命は消え失せて
終着駅を欲している、はやく、線路の終わりを、その先を、その先の穴蔵へ、わたしを、あなたを、いや、やはりわたしだけをこそ、その先の穴蔵へ、穴蔵へ、穴蔵へ
愛を感じた瞬間に
もうここで目を閉じてしまいたくなった
この先にまた、いつか、天と地が裏返る日を見たくないから
愛を感じて今、今ここで、このまま
穴蔵の先は何もなくていい
穴蔵へと向かう背中すらあなたには見ていて欲しくなく
穴蔵へそっと、そっと、そっと帰る
ただ帰る
わたしはただ帰りたい 帰りたいだけだ