みんな、あなたのもの
この世に生まれたこどもたちは、すべからく全員しあわせでいてほしい。
今日、ふと、そんなことを思った。
こどものためのスペースで、ころんと転がって天井をみつめているお子さんがいて、お母さんは近くで絵本を熱心に選んでいて、そこから少し離れたところでは、ベビーカーで泣き出した子が居て、どうして泣いてるの〜、と、声をかけるお母さんがいた。
こどもたちは、今日のことなんて、多分覚えていない。大きくなったら、思い出しもしない、なんてことはない1日だ。
でも、お母さんやお父さんや保護者の方々にとっては、そうじゃないかもしれない。いつかふと、今日この日のこの風景を、懐かしく思い出すのかもしれない。
こういう毎日が積み重なって、人間は、大きくなってゆくんだな。
どうか、この世に生まれたこどもたちは、すべからくみんな、しあわせでありますように。この子たちがみんなみんな、しあわせに大きくなりますように。生まれてきて、たまたま図書館に来てくれて、ありがとう。
みんなのための本が、ここにはたくさんあるよ。まだまだ新しい本も、たくさん入ってくるよ。みんなのための本だから、みんなと会うのを待っているよ。ここには、あなたを待っているものがあるよ。静かにここで待っているよ。いつかあなたが、手に取ってくれますように。そしてあなたのうつくしい声で、本の中のおはなしを、読み上げてくれますように。ここにあるものは、みんなあなたのもの、です。