素直な気持ち
素直な気持ちになったら、社会に出ていくことが難しくなってしまった。
この場合、素直な気持ちはわたしにとって「害」になるわけで、そうであるなら、素直な気持ちなどいらんことになる。
でも、と思う。
なぜ、素直な気持ちになったらだめなんだろうかと、どうして「だめ」ってことになってしまうんだろうかと、また、素直な気持ちがこぼれだす。
何がだめなのか、どうしてだめなのか、だめな理由や根拠は十二分にわかっているのだけれど、社会って、そんな風にうまくやっていかなくっちゃいけないところ、なんだっけ。
わたしはこういう常識が本当にない。常識が心底ないから、素直な気持ちになったら、良くなかったのかも、しれない。
本当に?
素直な気持ちになったら社会に出ていくのが難しいのなら出ていくのが難しくないあたらしい「社会」を、自分にとっての「社会」を、探せば良いのではなくて?
本当に?どちらが本当に、本当、なのか。
わたしにとっての、出ていくのが難しくない「社会」ってなんだろう、どこだろう。お膳立てしてくれる人なんか大人になったらもうどこにもいないのだ。アシストしてくださるシステムはあれど、最後に決めるのは自分。
ああ、なんでこうなっちまったのかなあ、という気持ちと、こうなって良かったんじゃない?っていう気持ちがないまぜになって、ずーっと体が喚いている。
わかってるよ。大丈夫だよ。あんたの言いたいことは、あんたはわたしなわけだから、痛いほどわかってるよ。
だからそんなにかなしい気持ちにならないで。大丈夫。大丈夫よ。