およぐ、およぐ、泳ぐ

不安障害です。日々のことを書いていきます。

おかわりもののけ姫

『賢しらに僅かな不運を見せびらかすな!』

 

というエボシさまの言葉が、午前中ずっと頭を巡っていた。

昨夜は、おかわりもののけ姫をしようとし、大きな音で見ちゃ悪いなと思い、ヘッドホンで見始めたところ、ただ見ているだけでは聞こえない、森の音が方々から聞こえ、アシタカがはじめてシシガミ様を垣間見るあたりで眠りに落ちた。

 

ので、『賢しらに〜』のくだりは、昨夜は見ていないのだけれど、一昨日に見た記憶がくっきりと、こびりついているのだと思う。

 

もののけ姫を初めて見たのは小学生だったから、概ね意味がわからず、ただ、シネコンとは程遠い、地方の映画館すら満員で、わたしと母は席に座らずに、階段に座ってみたのだった。意味がわからずとも最後まで見ていられたのは、テンポの良さ、音楽の素晴らしさ、アニメーションの美しさ、そういうもの全てが大音量で大画面で自分に覆い被さってきたからだろうと思う。

 

となりのトトロのようなものを作れる人が、膨大な人と金と時間をかけて作った、決して子ども向けとは言えないアニメーション映画を、小学生の時分に観れたことは、幸運なことだったと改めて思う。

 

大人が本気で作ったものを観る。意味がわからなくても観る。そして自分が大人になった今、意味がわかるようになった今、わたしは、もののけ姫に夢中だ。

 

昨夜のおかわりもののけ姫は結局眠ってしまったから、今日、もう一度トライしよう。もちろん、ヘッドホンをつけて。太古の世界の、人と、神様と、森とを、もう一度観る。この目を耳を、その世界に浸らせたい。