およぐ、およぐ、泳ぐ

不安障害です。日々のことを書いていきます。

5時間の自由

特急に乗ってどっか行っちゃおうかな、と思うことがよくある。

JR新宿駅の構内を歩いていると、色とりどりの電車が行き交い、終着駅が自分の最寄りよりもうんと遠いと、なぜわたしはこれに乗らず真っ直ぐに帰路に、または職場に向かうために、電車に乗ろうとしているのだろうと、不思議に思う。

 

5時間あったら、一体どこまで行けるのだろう?飛行機は人生で一度しか搭乗したことがなく、あんな怖い思いは2度とごめんなので、断然絶対電車がいい。羽田やら成田やらまで、何時間かかるか検討もつかないし。

 

たとえば新宿駅から特急かいじに乗ったら、すぐに山梨まで行ける。新宿で降りずに東京駅まで行き、迷路のような構内を掻い潜り、新幹線の改札まで行ったら、もっとうんと遠くまで行ける。のぞみになんか乗ってしまったら、本州だって脱出できるのに。

 

だのに何故わたしは、真っ直ぐに帰路に着くのだろう。その5時間にある「自由」を、選ぶことは、とても恐ろしい。

 

けれど同時にその「自由」はえらく魅力的で、いつでも私の耳元でささやく。乗ったらいいじゃないの。遠くに行ったらいいじゃないの。そしてそのまま其処の人として、生き直してみたらいいじゃないの、と。