およぐ、およぐ、泳ぐ

不安障害です。日々のことを書いていきます。

雨が止むと鳥が鳴く

あるはるかのさえぐさです。

 

雨が止むと鳥が鳴く。雨が降っていてもほんとうは鳴いているのかもしれない。窓の外がほの明るい。雨はたぶん、止んでいるのだろう。

 

雨の日も嫌いではない。わざわざ傘を持って喫煙所に向かい、短い休憩時間の中でタバコを吸っているのは滑稽だなあと思うけれど、煙と一緒に「やってられない」や、「なんでなんだろう」を、吐き出して、少しだけ、落ち着いた気になる(ほんとうは何も落ち着いてなどないのだけれど)。

 

傘の中で煙が広がって、外に漏れずに消えていく。面白くて何回もやった。煙は上へ、上へと行こうとするのに、傘がそれをそっと包む。目の前に行き場を失った煙が垂れ下がり、目に映る世界が、少し、白くなる。

 

今日は昼間、雨は降るのだろうか。室内が主な仕事なので、どちらでも関係はないのだけれど、傘越しの煙、白くなる世界、喫煙所から見える新宿の聳え立つホテル群は、とても好きだ。

 

オリンピック需要を見込んで次々と建てられた新宿のホテルたち。空室にはきちんとベッドメイクされた清潔な部屋が待っている。誰かがそこで夢を見る日を、待っている。

 

あの窓からは、なにが見えるんだろうか。