託された絶望
あるはるかのさえぐさです。
上間陽子さんが好きだ。Radiotalkでも話したけれども、上間さんの書いた「裸足で逃げる」は素晴らしい本だった。
昨日買った「海をあげる」は、それと同じくらい、もしくはそれ以上に素晴らしい本だった。
あとがきから一部分、引用させていただく。
「この本を読んでくださる方に、私は私の絶望を託しました。だからあとに残ったのはただの海、どこまでも広がる青い海です。」
(「海をあげる」 上間陽子著 筑摩書房 あとがき251pより)
託された絶望を、わたしはどんな形で世界に返せるだろう。この切実な思いを、どのような形で世界に残せるだろう。
現実世界になんら寄与しない、ちいさなちいさなひとりの人間が、この、託された絶望に、できることは、なんだろう。
何度でも考える。これから折に触れ、何度でも考える。