繭の中にいるようだな、と
朝方の道端で思う
適切に過剰な心を持つことができたなら
繭など喰いちぎってやるのに
繭、繭の中にいたい 繭の中に響いて
繭の中で木霊する 声、になっていない浅い呼吸
背中を広げなさい 肺が膨らむところまで 肋骨が開くイメージで 吸い切ったら吐く 今度はどんどん肋骨が閉じていく そう その呼吸
その呼吸のまま 声を載せて 真っ直ぐ そして頭の上から 顔全体に響いている音を外に
外に出すんだよ
繭、繭の中にいる 繭にこぼれてくる街灯を見ている 朝 行き交う人が傘を持っていた
雨、今日は雨なんだ