およぐ、およぐ、泳ぐ

不安障害です。日々のことを書いていきます。

春の雨にほだされる

朝からあたたかい。出勤の時間は夜明け前であるのに、今日は首元も手も何も冷たくなかった。

 

春の雨にほだされる。ほだされて言葉を書かされる。冬の光にほだされるのと同じだ。山から朝日が昇るのを、海に夕日が沈むのを、網膜に灼きつけた瞬間と同じだ。

人間が産まれる瞬間と、人が荼毘にふされる瞬間を目にしたときと同じだ。

 

春の雨にほだされている。身体の真ん中の穴にひゅうひゅう風が吹き、阿呆のように書きつける。穴から迫り上がる言葉が指先からぼとりと落ちる。

 

2021年3月2日、今朝、季節外れの春の雨が降りました。