パニックちゃんがMRIを受けてみたら、灰野敬二と平沢進とBoredomsだった
こんにちは。aruharukaのさえぐさです。
今日は、「パニックちゃんがMRI検査を受けてみたら、ノイズミュージックみたいだった」話をします。
「パニック障害を持っているのにMRI検査を受けなければいけない状況」になってしまった同士のみなさまに、私が経験したことをもとに、先に結論からお伝えいたします。
本文全然読まなくていいので、ここだけでも目を通してもらえたら、もしかしたら役に立つかもしれない。役に立たなかったらごめんよ・・・
・まずは、MRIを受けなさいと診断を下した先生にその場で「パニック障害持ちでMRIが怖いこと」を正直に告白しよう(頓服の薬を飲んでも検査可能か教えてくれます。何時までなら飲んでもいいのかも教えてくれます。)
・次に、メンタルクリニックの主治医に相談だ!(頓服薬を飲む量など、相談に応じて指示を出してくれるはずです)
・当日までに「ノイズミュージック」でイメトレだ!(意味不明な方が多いかもしれませんが、記事中盤にyoutube貼り付けてます。文章読み飛ばしてyoutubeだけ見ても全然OK。MRIからはこんな音がしました。イメトレ大事。これでちょっとだけ慣れておくと多分、吉)
・MRIの「穴」は思ったよりも小さくないぞ。むしろ、でっかいぞ。(こちらも記事中に画像貼り付けてます。画像と本物は結構違うよ。大丈夫。)
・検査当日は指示に従ってお薬を飲む。これだけは何が何でも遵守!
・MRIに入る時は、目を閉じよう。すべて終わるまで目を閉じていよう。見たくないものは見なくていいのだよ。
・MRIの機械音が鳴り始めたら、youtubeで見たノイズミュージックを思い出そう。(機械音を紛らわすために装着してくれるヘッドフォンは何の役にも立ちゃしません。そこでイメトレが活きてくるのだ!)
・検査が終わるまでは目を開けずにMRIのノイズミュージックに身を委ねよう。(頓服薬を飲んでいる状態なので、ぼんやりできればこちらの「勝ち」です。目も閉じてるから、なんならちょっと眠くなるかも。「眠くなれたらなおさら良し」です)
・MRIの画像診断が必要な場所によると思うけど、意外と長く時間がかかります。今回私はMRIの中にだいたい45分くらい居ました。が!30分撮影ののち、一旦休憩(看護師さんによる造影剤の投与)が入ります。ずーっと装置の中にいるわけではないので大丈夫。MRIノイズライブ(?)の休憩時間だと思いましょう。
・身を委ね続けていると、やがてMRIノイズライブは終焉を迎えます。技師さんの指示に従ってシャバに出られたら目を開けましょう。ほら、もう終わった!できました〜大丈夫だった〜やった〜
以下、「パニックちゃん」の私がMRIを受けるまでの日々、当日の流れ、MRIの音=ノイズミュージックに至った過程を書いていきます。
※「ノイズミュージック」とか簡単に括ってますが、ノイズについて詳しいわけでは全くありません。すみません。ノイズミュージックのファンの方からしたら「はあ?」ってなっても、今回だけは、今回だけは、目をつぶってください。後生ですから・・・後生ですから・・・怒らないで〜
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以前ちょろっと書いたことがありますが、私は「パニックちゃん」です。
苦手なことは
・狭いところが怖い
・身動きがとれないところが怖い
・人が大勢いる場所が怖い
などなどです。
日々の生活の中では、例えば「満員電車」「特急や新幹線」だったり「映画館」だったりが苦手です。(すぐに出られない、出口がない、音が大きいと、頭が爆発します)
休日で人手が多いショッピングモールなども非常に消耗します。(元気なら楽しめるけど、人がたくさんいるとそのざわめきで頭が爆発します)
おこころの先生に魔法の薬を出してもらって、苦手な場面ではそれを活用しながら日々生活しております。(合法です。違法じゃないです。本当です。)
そんな私ですが、とある事情から、どうしてもMRI検査を受けなきゃいけなくなりました。たいしたことじゃないのですが、念の為、ということです。なので心配しないでね〜。
診察室でお医者さまから「MRI」の単語が出たときの私の気持ちは以下の通りです。
「いや、無理っしょ。絶対無理っしょ。(心の中のギャル)」
バンドマンといえどもただの人間です。ってか当たり前です。
生きていれば身体に異常が出ることはあるものです。
仕方ない。仕方ない。仕方ない。仕方ない。仕方ない・・・?
いやいやいやいや、怖いよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
今日1/12の検査まで、マジでずっとビビってました。
12日のことを考える→MRIの装置を思い浮かべる→狭い、音でかいらしい、動けない→死→怖くて考えないようにする→また思い出す→MRIの装置を思い浮かべる(省略)→死
もちろんMRIの宣告をしてきたお医者さまに私は即座に申し出ました。
「かくかくしかじか、パニックがあって・・・」
「あー、そう。うーん。でも撮ったほうがいいんだよね〜」
「ですよね」
「当日薬飲んでもいいから、それでやってみよ」
「あ、はい」
おこころの先生からもらっている魔法の薬を飲んでもいい許可が出たことは、とっても安心しました。でもこれは、私が撮影した部位が、たまたま薬と関係ないところだったからなのかどうなのか・・・わからんす。
そして迎えた本日。今朝、MRIを終えてきました。
検査時間は朝8:30(はやくね?)。2時間前までは飲み物OKだったので、ここで魔法のお薬をいつもより多めに飲みました。(もちろんおこころの先生に相談の上ですよ)
そして1時間前になったらそれ以降おトイレに行ってはいけませんでした。これも私の撮影部位によるものだったのかも。根がパニックちゃんなので、全然おトイレ行きたくないのにおトイレ行きたくなったらどうしよう、という謎の不安に駆られました。
家を出るとき、私の右手も左手も、それはもうおばあちゃんのように震えてました。
薬効いてますよね〜おっかしいな〜うっふふ〜です。
病院に到着し、諸々手続きを済ませ、検査着に着替えます。
不安マックス。
技師さんに「閉所恐怖症で・・・」って言おうかと思うも、立板に水の勢いで流暢に説明をしてくださる技師さんに何か言えるわけもなく。
指示された通りに検査着に着替え、名前が呼ばれるのを待ちます。
手が震えてたかの記憶はないです。
「無理っしょ。」の心のギャルの声しか聞こえません。
名前が呼ばれてMRIがある検査室に入りました。
・・・ん?
私が思ってたより、MRIの「穴」、でっかくね・・・?
そうなんです。
MRIの機械って、写真で見ると、「穴小っさ!怖っ!」ってなるんですが
実際に検査室に入って装置を目の前にすると、思ったより「穴」が大きいんです。
そして検査室自体も無機質な感じではなく、(これは私が行った病院がたまたまそうだったのかもしれないけど)壁面が明るいパステルカラーで、部屋自体も広くて、閉塞感はほとんどありませんでした。
先程の「立板に水の技師さん」が流暢に説明してくださるとおりにMRIに座り、寝そべり、着々と準備が進められる間、ふと気が付きました。
部屋のどこかからずっと「すー」「ぶしゅー」「すー」「ぷしゅー」と4ビートが聞こえる・・・2拍目と4拍目にアクセントがあるような。
いや、てか、ビートやん。ビート刻んでるやん。
恐らくMRIの音だと思うのですが、ずーっと一定間隔で刻んでるんです。ビートを。MRIは。
このビートに気づいたら、なんだかちょっと怖さが和らぎました。
薬も効いてたんだとは思うんですが、とりあえずこのビートに身を任せようと心に決め、いざ、穴の中へ。
さすがに穴の中に入るときは怖かったので、目は一切開きませんでした。
開かなければ狭いかどうか見えないのでね。目は開いちゃダメ。
いよいよ検査が始まります。
「機械から大きな音が鳴るので、それを和らげるためにヘッドフォンをつけますね」と言われて装着されたヘッドフォンからはクラシックが流れていました。
いざ機械が始動しはじめると、すぐに「なんの役にも立ちゃしねぇ」ということがわかります。
クラシックの音小さすぎるっしょ。爆音で流されても困るけど。
ゴインゴイン鳴るMRIの音の隙間に微か〜に聞こえるクラシック。
なんだこれ。なんの役にも立ちゃしねえ。
でも、ゴインゴイン鳴るMRIの音を聞いて、何故か既視感を覚えたんです。(音なのに既視感って変だけど)
これ私どっかで聞いたことあるな。なんだろ。なんだっけ?
あっ!灰野敬二のライブじゃん!!!!
いや、平沢進のライブじゃん?
かと思えばBoredoms?
若干bjorkも入ってる・・・?
world's end girlfriendみたいな気もする・・・
というわけで、MRIのゴインゴインの中で、「MRI=ノイズライブ」ということを発見しました。
ここで挙げたミュージシャン以外にも、ライブハウスで共演した方がノイズミュージックをやってらっしゃる方だった場合、直に轟音を浴びた経験があったため、MRIの音に既視感があったんですね〜
MRIから発せられる様々な轟音。後ろでずーっと刻まれる、2拍目4拍目を強調した4ビート。そしてヘッドフォンから微か〜に聞こえるクラシック。
これをノイズと言わずして何をノイズと言わんをや!カオス!フジロックで観たテスラコイルを使ったbjorkのライブも脳裏をかすめました。
そして途中に挟まれる謎の「マッサージタイム」。
機械が撮影中に背中側をゴンゴン押してくるんです。何故かは知らない。
実際マッサージじゃないんですけどね、もはやマッサージ機と思うことにした。
私はノイズミュージックに浸りながらマッサージ機に寝そべっている・・・
もうこの時点で、心の中のギャルも「それな」と言っておりました。
こうしてノイズミュージックに浸りながら30分の撮影、あいだに休憩(看護師さんによる造影剤投与)をはさみ、MRIノイズライブの再開。
全部でだいたい45分くらいで終わりました。
再び「立板に水の技師」さんによる流暢な説明のもと、検査着を脱ぎ捨て、颯爽とお会計に向かい、会計金額に目ん玉が飛び出し、(私の病院では約9000円かかりました、高っ!)無事に帰宅の途に着いたのでした。
いや〜、人生、「全然関係ないことが全然関係ないことに役立つ」ってあるんですね。
「ノイズミュージック」っていう世界を知らなかったら、何度も撮影中断のお願いブザーを鳴らしていた自信があります。
みんな、健康第一だぜ。身体のメンテ大事だぜ。
灰野さん、平沢さん、Boredomes、bjork、world's end girlfriend、ありがとう・・・
※何度も言いますね、「ノイズミュージック」とか簡単に括ってますが、ノイズについて詳しいわけでは全くありません。すみません。ノイズミュージックのファンの方からしたら「はあ?」ってなっても、今回だけは、今回だけは、目をつぶってください。後生ですから・・・後生ですから・・・怒らないで〜怒らないでね〜