携帯小説の空に
土日の早朝は夜を色濃く引きずっており、酔客と吐瀉物とゴミがいたるところに散乱しているからよくない。
その点平日の早朝は最高だ。
事業用ゴミ収集は早朝から始まっており、たまったゴミたちを臭気を放ちながら回収していってくれる。
そういえば、2000年代に、「携帯小説」について大真面目に語っていた大人たちはどこに消えたのだろう。
当時のたいていの携帯電話は今でいうところの「ガラケー」で、画面も小さく、だからこその横書きだったんだろうと思うけど、横書きだから新しいとか何とかかんとか、テレビで言っていたような気がする。
羞恥心と尊大な自尊心でねじ切れていたわたしは、横書きの携帯小説なんてひとつも読まなかった。
読まないままに大人になっていま、横書きで、親指で、こうして誰にともなく文書を書いている。
文章っていうか文書、っていう感のある日記を。
当時、横書きだから何とかかんとか言っていたあの大人たちは、いま、どんなことを考えているのだろう。
もう商いの口実を考えるのをやめてしまったかな。
横書きで、親指で書く文章は、あたらしいですかと聞いてみたい。