清潔な肌に汗をかく
言葉は誰にでも開かれている。
言葉は私だけのものではない、当たり前だけど。
そのことに嫉妬する。
私だけに開かれたものであればいいのに、と思う。
そうやってこどものように地団駄を踏んでみたくなる。
バスの外から蝉の声が降ってくる。
梅雨があけましたよ、の、次の日から、窓をとびこえて蝉の声が入ってくるようになった。
もっと前から鳴いていたのかもしれない。鳴いていたのに、わたしの耳は、聞こえていなかったんだろう。
梅雨があけましたよ、と、誰かが教えてくれたので、私の耳は夏の声を聞きました。
日焼け止めをたっぷり塗って半袖で歩く町は気持ちいい。
清潔な肌のうえに汗をかくことがこんなに気持ちいいものだとは知らなかった、昨日まで。
昨日、突然、なんて気持ちの良いことなんだと圧倒的に理解した。理由のわからない唐突に訪れたこの発見で、人生のQOLが爆上がりする予感。